ある日、賃貸マンションの給湯器が突然故障し、お湯が出なくなりました。真冬のことで、シャワーも浴びられず、食器洗いも冷水。生活に直結するトラブルに、私はすぐに管理会社に連絡を入れました。しかし、そこからが長い戦いの始まりでした。最初の連絡では「担当者に伝えます」と言われたものの、一向に連絡なし。翌日再度連絡すると、「部品の手配に時間がかかる」とのこと。具体的な修理時期は教えてもらえません。1週間、2週間と過ぎるうちに、お湯の出ない生活は精神的にも肉体的にも限界に達していました。私は焦り、何度も管理会社に電話をかけましたが、「もうしばらくお待ちください」の一点張り。このままではだめだと思い、私は作戦を立てました。まず、これまでの連絡のやり取りを全てメモし、日付と内容を記録しました。そして、給湯器が故障している状況を写真に撮り、生活にこれだけ支障が出ていることを具体的に書き出した文書を作成。それを管理会社へ「内容証明郵便」で送りました。文書には、「〇月〇日までに修理が完了しない場合、賃料の減額請求を検討せざるを得ません」という一文を加えました。すると、内容証明郵便が届いた翌日、驚くほど迅速に管理会社から連絡が来ました。「すぐに手配します」とのこと。数日後には修理業者が来てくれ、無事に給湯器は直りました。修理が完了するまで、結局3週間もかかりましたが、あの時の安堵感は忘れられません。その後、私は賃料の減額についても交渉しました。修理が遅れたことによる生活の不便さを具体的に伝え、最終的に1万円の減額に応じてもらえました。今回の経験で学んだのは、賃貸トラブルでは「記録を残すこと」がいかに重要かということです。そして、泣き寝入りせず、自分の権利を主張することの大切さ。感情的にならず、冷静に、しかし毅然とした態度で臨むことが、解決への鍵だと痛感した出来事でした。