それは、ほんの一瞬の出来事でした。ポケットから取り出したスマホが、ツルリと手から滑り落ち、そのまま便器の水の中に「ポチャッ」。頭の中が真っ白になり、心臓がバクバクと音を立てるのが聞こえました。すぐに手を突っ込んで拾い上げると、スマホは画面が真っ暗なまま、冷たく濡れていました。「終わった…」そう思った瞬間、絶望が私を襲いました。写真、連絡先、SNS…私の生活の全てが詰まったスマホが、この一瞬で失われたのかと。しかし、以前、水没した際の対処法をネットで見た記憶がかすかに蘇りました。「電源は絶対に入れるな」「充電するな」「とにかく乾燥させろ」という言葉。私は震える手で表面の水を拭き取り、反射的に電源ボタンを押そうとする衝動を何とか抑えました。バッテリーが取り外せない一体型だったので、無理はせず、表面の水分だけを拭き取り、とりあえずジップロックに乾燥剤(お菓子に入っているシリカゲルをかき集めました)と一緒に密閉しました。そして、神に祈るような気持ちで、そのまま数日間放置することに。2日、3日…全く変化のないスマホを見るたびに、もうダメだと諦めかけました。しかし、藁にもすがる思いで、5日目にジップロックから取り出し、恐る恐る充電ケーブルを挿し、電源ボタンを長押ししました。すると、奇跡が起こったのです。画面にメーカーロゴがうっすらと表示され、やがていつものロック画面が!思わず「やったー!」と叫んでしまいました。すぐにデータを確認すると、全てが無事。スピーカーの音量が少し小さくなった気がしましたが、それ以外は完全に復活していました。あの絶望的な瞬間から、まさか復活するとは。今回の経験で、スマホの水没は素早い対処と、何よりも「諦めない気持ち」が大切だと学びました。そして、二度と同じ過ちを繰り返さないために、トイレにスマホを持ち込むのはやめようと心に誓いました。
トイレにスマホを落とした!私のパニックと奇跡の復活劇