多くの家庭において、洗面台の下は洗剤のストックや掃除用具、あるいは買い置きのシャンプーなどが雑然と置かれる「死角」になりがちです。しかし、この扉の向こう側では、毎日数百リットルもの水とお湯が激しく行き来しています。ポタポタという小さな音が聞こえてきた時には、すでに相当な期間、漏水が続いていたということも珍しくありません。日常の点検で特におろそかになりがちなのが、壁から出ている配管と、洗面台から伸びる配管の接合部分です。ここには止水栓という重要なパーツがありますが、普段触ることがないため、いざという時に固着して動かなかったり、あるいは止水栓自体の継ぎ目から微量な漏水が発生していたりすることがあります。特に冬場などは配管に結露が生じ、それが原因で周囲の木材を傷めることもありますが、結露だと思い込んでいたら実はパッキンの劣化による漏水だったという見間違いも多いものです。また、洗面器の裏側にある「オーバーフロー管」も盲点の一つです。洗面器に水を溜めた時に溢れないようにするための逃げ道ですが、ここを流れる水は普段少ないため、管が乾燥して劣化しやすく、たまに大量の水を流した際に接続部から漏れ出すことがあります。さらに、意外な原因として挙げられるのが、排水口の掃除不足による毛細管現象です。排水口に髪の毛などが詰まり、それが配管の接続部分まで達していると、そこから水を吸い上げるようにして外部へ水が滲み出すことがあります。こうしたトラブルを防ぐためには、三ヶ月に一度で構わないので、洗面台下の物をすべて外に出し、空の状態にする習慣をつけることをお勧めします。物がなくなれば、ポタポタという音はよく響くようになりますし、底板の変色やカビ、あるいは湿気による嫌な臭いにもすぐに気づくことができます。配管を手で触ってみて、指先に少しでも冷たい感触や濡れがあれば、それは漏水のサインです。小さな漏れは、決して自然に治ることはありません。早期発見できれば、部品代数百円とわずかな手間で済むはずの修理が、放置によって洗面台全体の交換という数万円から数十万円の出費に繋がってしまうのは非常にもったいないことです。家の隅々にまで気を配ることは、結果として家計を助けることにもなるのです。
日常の点検で見落としがちな洗面台下の水漏れ発生箇所